その1からのつづき
デカ文字はめんどくさい?
「大きな文字で書くのはめんどくさい」「時間がかかる」という声も聞こえてきそうです。
どんな手法にも必ず長所と短所の両方が含まれます。めんどくさく時間がかかるのは丁寧に計算するからで、その点の短所は織り込み済みで実践します。
私たちは定期テストや入試で得点するために勉強しているという一面があります(いや全面だ、という人もいるでしょう)。
得点するために長い時間をかけて勉強してきたのに、ほんのわずかな時間を短縮するために失点してその問題をパーにするくらいであれば、きちんと問題に向き合って時間が足りなくなるほうがまだマシだと考えます。
なぜなら正しいやり方は、ときに「計算が遅くなる」「めんどくさい」というマイナスがあるものの、長い目で見たときに必ず私たちを確実に最終目標地点まで送り届けてくれます。 大切なのは信じること、そして慣れること。それが当たり前になるまで続けることだと思います。
デカ文字でなくていい!
急に最後に「デカ文字でなくていい」とはどういうことだ?となりそうですが、「デカ文字」は小中学生のみなさんにも一言で伝わり、かつ実践しやすくするため便宜上わかりやすくした言葉です。
「デカ文字」の目安は、「ふだん自分が書く文字の2~3倍」。
小さい文字を書くのが常になっている人がときどきいますが(理系の高校生に多い)、人によって視野が違うので、小さい文字でも正確に計算できるのであれば本当は問題はないのです。
ただ、小さい文字でも絶対に気を付けてほしいのは、マンガでもあったように「1文字1マス」で文字と文字の間隔を十分にとること。あと、マイナス符号でも1マス分を使うことです。
特に高校数学ともなると、途中計算が何行にもわたってえんえんと書くことになるのでスペースの関係上どうしてもデカ文字で書ききれないケースもあります。このとき、文字は大きく書けなくても「1文字1マス」は死守することです。
あと、入試の時に計算スペースになる余白が小さいと感じた場合はすぐに手を上げて試験官に「計算用紙が足りないのでください。」とお願いするともらえる場合がけっこうあるようなので(京大はもらえたそうです)臆せずチャレンジしてみてください(ただし、私大ではもらえない大学がけっこうあるようなので事前に確認しておくのが無難です)。
くっくっく計算法
マンガの中でミスKさんが説明する「くっくっくっ」の表現をマンガで描くのがすごく難しかった。このニュアンスをどうすれば伝わるかなあと。
例えば玄関で靴を究極まできれいにそろえてみる。ドアのラインに完全に垂直に。ミリ単位できれーーいにそろえる。
すると、玄関を離れて部屋に入った後も、玄関の靴と自分がまるで糸で繋がっているように意識が残ります。
言いたかったのはこれなんです(おそらく…伝わってない)。
丁寧に丁寧に、計算の途中式を書いているとそこに意識が集まります。すると、そこから離れても意識が残るのです。
すると、戻って見直しするときに計算式が全体でぱっと一目で入ってきて、なぜがミスがあると違和感となって気づきやすくなります。
このマンガでは計算だけを取り上げて描いていますが、「くっくっく」の快感を一度知ってしまうと英語・国語・理科・社会、あらゆる科目に応用できるようになります。
ちなみに、丁寧に書くといっても文字のうまいヘタは一切関係ありません。書く速さも関係ありません。
デカ文字計算を確実に身につける方法
いくら計算ミスをなくしたくて「デカ文字計算」を実践しても、習慣にできまでやりとげられる人は、おそらく10人に8人もいません(経験上)。
数日でもとのフニャ文字または雑な暗算で計算ミス地獄に戻っていきます。そのほうが楽だから…それに、やっている時はミスすると思って計算してませんからね。
本当にやると決めたら「自分は絶対できない」という前提からスタートするのが成功のコツです。 自分を決して信用しないことです。
カレンダーの毎週土曜か日曜に「チェックの日」と書き込み、週末にそれが目に付いたら、1週間のノートに書かれた自分の計算メモをチェックし、ABCDEの5段階評価をします。どれだけデカ文字計算ができていたかを評価するのです。
これをシステマティックに続けることができれば、だいたい2か月・8回のチェックで評価は「A」にできます。
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