中学受験については、ご存じのかたにとってはごく当たり前の世界なのですが、ご存じないかたにとっては非常にわかりにくい世界かもしれませんので、大ざっぱに解説を。
中学受験には大きく分けで3つのパターンが。
① 私立進学校型
『中学受験』という言葉が指すものは最もこれが多いです(地域によります)。
入試問題は、公立小学校での学習容と比べて特殊で、一般に『特殊算』と呼ばれる算数を扱います。
「つるかめ算」や「和差算」、「植木算」「ニュートン算」…などなど二十数種類、いくつかは聞いたことぐらいはあるかもしれません。
たとえば「つるかめ算」は、中学2年生の『連立方程式』の問題を、 X や y を使用せず面積図を利用して解く少し特殊な方法です。
面積の公式を使って解くので「公立小学校で学習する内容の応用」と言えなくもないのですが、普通の人にとって難易度は高いです。
難関中学の入試問題になると特殊性がかなり強く、難関国立大理系の学生でも受験経験者でないと解けないことはザラです。
①の受験を考える場合、ほとんどは進学塾に通い、学校の算数とは別科目のようにして特殊算を学ぶのが一般的です。
塾に通うタイミングは、小4春(小3の終わり)あたり、早い人なら小1~3、小5になるとぎりぎりライン、というのが一般的です(志望校にもよります)。
② 公立中高一貫校型
2000年代に入って全国で一気にブームになった通称「(公立)一貫校」。
公立でありながら中高一貫で高校入試はありません。
私立進学校並みの授業の難易度・進度・大学合格実績を誇ることが多いのも特徴です。公立なので学費が安いため人気は高く、高倍率であることが多いです。
入試問題の特徴としては、『思考力を問う』問題が多いこと。
問題文の文字量が圧倒的に多く、大量の文章を高速で読ませてその場で考えさせるため、情報処理能力が高い小学生だけが勝ち残るイメージの入試です。
パターン暗記が通用せず、傾向と対策があまり通用しないことが多いです。
逆に、いわゆる「地頭がいい」子であれば、塾に行かず短期間の受験勉強でで合格できることもまれにあります(中学によります)。
2021年に始まった大学入試共通テストは、まさに公立一貫校の入試問題を模倣しようとしているように見えます。(’ただし現状は、中学入試の問題のほうが難しく感じられるかもしれません)。
③ 私立普通型
公立小学校の学習内容(プラスアルファ)で合格できる中学です。
必ずしも通塾しなくても合格できるケースも多いです。
進学校とまではいかなくても校内はコース分けされていて、上位コースはそれなりに実績がある場合も多いです。
また、下位(普通)コースは大学への指定校推薦枠が大きいのが特徴で、校内の定期テストさえまじめにやっていれば無試験で有名私立大学に進学できるケースが多く、それなりにメリットは大きいです。
★↓見ていただけたら2つポチリ!と押していただけると励みになります。