デカ文字計算法のネーミング
もともとこの「デカ文字計算法」は、私の教室で勤務していた講師で京大理学部・大学院のポスドクの人から教わったものでした。
私にとっては、計算ミスしないように途中計算は大きく丁寧に書くというのは当たり前のことだったので、あらためて「計算法」という観点で途中計算のメモに注目するというのは斬新でした。
たしかに生徒の計算メモに注目をして修正を加えていくと明らかに計算ミスが激減するのがわかります。 赤シールを使って結果を検証していくと、効果はあきらかでした。
ちなみに「デカ文字計算法」という直球的なネーミングも、京大の彼が考えたものです。
計算ミスはちょっとやそっとじゃ直らない
途中計算を大きな文字で書く。たったこれだけのことで何の努力もなしに算数・数学の得点が上がる。これは盲点でした。画期的なことだと思いました。
しかし勢い勇んでいろんな生徒にデカ文字計算法を試してもらいましたが、意外にも実際はそんなにうまくいきませんでした。
いくらどんなに途中計算を大きな文字で書くように伝えても、その場はシブシブ大きくなるのですが、すぐに元に戻ってしまうのです。たった1日デカ文字を保つことすらできない人も多かったです。
3 → 3 → 3 → 3
こんな感じで、ノートのページを追うごとに文字が小さくなっていきます。学年が大きいほど、修正が難しいということもわかりました。
早い段階で修正がきくのはギリギリ中学2年まで。中3ともなるとフニャ文字で貫き通した習慣が完全に固着していることが多いです。高校生ともなると修正はかなり難しく、本人の強い意志が必要です。長年の習慣というのはたいしたもんだと思いました。
しかし逆に、早い段階でデカ文字計算の習慣を固着させてしまえばこっちのものだということもいえます。 それがこのマンガになりました。
計算は心のありようを映し出す?
乱雑に書かれた途中計算の文字。
これはその人の心のありようを映し出しているようにも見えます。
数学の問題を解く作業というのは「段取り」です。
ゴールまでの方針を最初に決めたら、最後まで慎重に、いかに首尾よく取りこぼしなく進めていくか。これが数学の問題を正解にたどりつかせる作業です。
私は生徒の数学の答案を見る時には、まず途中計算のメモを見る癖がついているのですが、その生徒の性格と、計算の仕方には相関関係があるように感じます。
乱雑に途中計算をする人は、まるでおしゃべりをしながら・肘をつきながら・寝そべりながら、そんな態度で問題を解いているのとあまり変わりがないように思えてきます。(ただし、「乱雑」といっても文字のうまいヘタは関係ありません。また、途中の計算式を書かず暗算でミスをする場合も「乱雑」という言葉に含まれます。)
その2へ続きます
★↓見ていただけたら2つポチリ!と押していただけると励みになります。