道真公に左遷命令が出たときの状況は記録が残ってないのでよくわかりませんが、過去の同じパターンから、おそらく不意打ちの発表だったと想像できます。
実際、左遷命令のわずか3週間ほど前に、「従二位(じゅにい)」という、貴族・超トップクラスの官位に昇進・・・からの左遷。
えげつないことするなあ。。。
左遷の理由は次の3つでした。
①宇多天皇をだましてうまく取り入った。
②身分が低いのに大臣になり権力を濫用した。
③醍醐天皇をやめさせてその弟を擁立しようとした(=謀反)
①は「だました」根拠がなく、②は「身分が低い」が論外。
問題となるのは③です。
③はれっきとした国家犯罪。道真公は謀反を企てたのかどうか。
謀反計画が本当であれば、左遷どころか…牢屋に入れられるレベルの話です。
しかし、①②で印象操作としか思えない主観的な理由を入れ、
さらに、謀反という国家犯罪を企てた人間への処罰が「左遷」止まりという時点で・・・何をかいわんや、という感じもします。
左遷の理由となる謀反計画には証拠も証人もないばかりか、道真公に弁解の機会も与えませんでした。
そして「だまされた」当事者であるはずの宇多前天皇に対してすら、理由を聞こうと宮廷に訪れたときにも、ガッチリとガードして中に入れませんでした(本来なら真っ先に報告すべき人であるにもかかわらず、です。)
・・・しかし、しかしです。
「火のないところに煙はたたず」ともいいます。
もちろん大昔の話なので真実は確かめようもありませんが「謀反の計画だけはあった」とする説もあります。
その根拠となる唯一のものは、太宰府にいる道真公を訪れた、ある役人の調書でした。
太宰府を様子見に訪れた都の役人に対し、道真公が謀反計画の一部をゲロった、と、こういうわけです。
・・・ずっと無実を訴えていた道真公が、ふらっと訪れた役人に「やりました」みたいなことを急に白状するなんて、にわかに信じがたい話ですが、
この調書をとった役人こそが・・・道真公の怨霊伝説、そして「天神」の呼称につながっていくための重要人物になります。
そのへんもマンガでは…ハチャメチャに描いてみたいなあと思っています。
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