あまジン★ガクモンの神様

おもしろ勉強マンガ

第98回 シロだけどクロ! の巻

会ってみるとやっぱり道真さんは噂どおり「シロ」だった!

かといって「シロでした」なんて報告書作れないよ~ あ!いい方法が!都からの使者・藤原清貫が思いついた悪知恵とは…!

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藤原清貫の調書は見事でした。

 

『部下の謀反計画を知っていたけどスルーした』と道真公が言ったというのです。

これでシロだと信じていた人でも「左遷やむをえず」で納得した人たちもいたことでしょう。しかし…

 

なぜ道真公に一言も弁解させず左遷したくせに今さらこんな茶番のような調書をとる必要があったのか?

それは、よほど道真公有罪を印象付ける必要があったからじゃないかな?と推測します。おそらく宮廷では冤罪の噂でもちきりだったでしょうから。

 

…そもそも謀反計画はあったのか、なかったのか。


いや、フツーに考えて…

主犯とされるのは道真公の部下(源善)で、中級役人。中級役人が天皇を差し替える計画?んなアホな!…です。たとえば普通の会社で、課長レベルの人が会長の人事を動かすって、フツーにありえないでしょう。

 

「恩賜の御衣は今ここにある。捧げて持って毎日余香を拝すのである」

 

道真公は醍醐天皇からいただいた御衣を太宰府まで持ち込んで大切にしていました。

さすがに前回のマンガのようにクンクン匂っていたわけではないでしょうが(笑)、醍醐天皇に対してのクーデターを容認する人物が醍醐天皇からもらった衣類を大事に左遷先まで持ってくるのも考えにくい。

 

謀反の証拠があるなら追加の調書は不要。しかしわざわざ調書をとることこそが冤罪だからと考えられる。実際のちに醍醐天皇本人が冤罪を認め左遷を取り消し道真公を右大臣に復位させます・・・道真公の没後で、時すでに遅しですが。


宮廷には道真塾の門下生出身の官僚たちが3ケタはいたそうです。道真先生の左遷で宮廷は騒然としたことでしょう。そこで悪人たちは…道真公だけを陰湿に、徹底的に「悪者」に仕立て上げていきます。

 

次回のマンガはそんなエピソードをおちゃらけます。

お楽しみに!

 

 

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第97回 都からの使者 の巻

ある日突然訪れた都からの使者。 つ、ついに都からのお迎えが・・・?!

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『私自身は謀反を計画していない。ただ、部下が計画しているのを知っていながら止めることができなかった』

 

藤原清貫の調書では、道真公のこんなセリフが残っています。 ううう…見事なまでに「シロをクロに変える」マジック。


道真公研究のいろんな著作物を見ると「道真公は自分から謀反計画をしたわけではないけど計画自体は知っていた」とするものが意外に多いのに驚きます。 「火のないところに煙はたたず」というわけですが、その根拠は藤原清貫の調書です。なぜかここに疑問を抱かず鵜呑みにしているという謎があります。

 

しかし、火のないところにでも無理に煙を起こして相手を打ち落とすのがこの世界。それは歴史上の冤罪の数々を見てもわかります。 ここは冷静に事実だけを並べ、本当にそんなクーデータ計画があったのかを推測してみたいと思います。

 

次回のマンガは、藤原清貫が「シロをクロに変えてしまった」調書のお話です。 あわせて、道真公の左遷理由となったクーデター計画についても、事実を並べてその有無を検証してみたいと思います。

 

お楽しみに!

 

 

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第96回 雁はいいなあ・・・ の巻

都への想いが日増しにつのる道真さん。 ふるさとへ帰る渡り鳥の雁(かり)をうらやましく思って歌を詠んだのですが・・・。

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「秋なく」の「なく」は

「鳴く」
「泣く(哭く)」
ダブルミーニングですね。

 

道真公の代表的な和歌のひとつですが、元は漢詩です。当時、貴族の間でカリスマ的人気だった唐の白居易(白楽天)の詩で似た雰囲気のものがありますね。道真公は「白居易LOVE♡」の人だったので、かなり影響を受けていたと思います。


ところで私たちが漢文に最も触れる機会が多いのは大学受験。漢文は受験生に毛嫌いされる科目のひとつですが、実は文系理系問わずセンター試験(現・共通テスト)での漢文はとても「おいしい」科目です。あれほど短期間で満点が狙える科目はない。理系の人でも「賢い」人は漢文のコスパのよさを知っていてしっかり準備して満点を取りにきます。数ⅡBで現状から5点10点をあげる時間と労力を考えると、必然的にそうなるということですね。

 

 

さて、次回は・・・

ある日突然、道真さんのボロ家に都からの使者が訪れます。つ、ついに都からの呼び戻しか・・・?!色めき立つ道真さん。残念ながらそうではなかったのですが、しかしこの使者こそが将来、道真さんが「天神様」という名称で呼ばれるきっかけになるキーパーソンになるとは…。

 

お楽しみに!

 

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第95回 道真公、恋の歌を書く の巻

恋歌を書いたことがないちょっぴりシャイな道真さん。こっそり書いた生涯ただ一度の恋歌は誰の・・・?

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妻・宣来子(のぶきこ)は、道真公の学問の師匠・島田忠臣(しまだのただおみ)の娘でした。島田忠臣は、道真公の父・是善(これよし)の弟子。つまり父は、優秀な弟子に息子の指導を依頼し、それがきっかけとなってふたりは知り合ったようでした。

 

以来、忠臣と道真公は師匠と弟子であり、また義父と義理の息子。ふたりの絆は強く、道真公が腹を割って話せる数少ない人物のひとりでした。道真公はたくさんの歌をこの義父に贈っています。

 

島田忠臣と宣来子は、天満宮では神様として祀られています。

 

 

さて次回は、都を思って歌った有名なあの歌をマンガにしてみたいと思います。

 

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第94回 太宰府、新鮮! の巻

期待に胸ふくらませて(?)到着した大宰府は、道真さんの思っていたものとは全然違っていた! しかし、そこで道真さんの「超ポジティブ思考」が発動・・・!

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道真公に与えられた屋敷は床に穴、雨漏りのボロ屋でした。

 

大宰権帥(だざいのごんのそち)」という役職を与えられていましたが役所では仕事もろくに与えられず、食料にも困るというありさまでした。ひど・・・


道真公が見た当時の大宰府は…

盗賊が群がり
簡単に人を殺す者
ニセモノの綿を売る者
高値で米を売りつけようとする者
そんな人たちであふれていたといいます。

 

当時は警察が機能しておらず「平安」時代という言葉とは裏腹に、治安は最悪の時代でした。平安時代の優雅なイメージとはほど遠い!


都に残してきた妻・宣来子(のぶきこ)からの手紙によると、

庭の木(梅?)は売られて持ち去られ
邸宅の一部は賃貸で誰かを住まわせ
...とあります。

それでも妻からの手紙には「生活が苦しい」という言葉は一言も書かれておらず、そのことが逆に道真公を心配で心配でたまらなくさせたようです。

 

 

道真公は公人ということもあって、膨大な数の歌が現在まで残されています。

しかし…恋歌が、ない。

ほとんどないのです。

次回のマンガでは、そんな堅物?道真公が、「生涯でただ一度だけ」書いた恋歌について、描いてみます。

お楽しみに!

 

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第93回 太宰府の人気者!? の巻

大宰府に到着した道真さん一行。 待ち受ける大勢)の野次馬たちに道真さんがとった行動とは・・・!

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大宰府に到着した道真公たちを待ち受けていたのは、都から左遷されてやってきた元・右大臣を一目見ようと集まったすごい数の野次馬たちでした。 

 

道真公はその様子を見て、その場で嘔吐し足腰がフニャフニャになるほどショックを受けます。

 

実際の大宰府でのスタートはそんな壮絶なものでした。

 

 

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第92回 エンジョイ!太宰府ライフ の巻

左遷されちゃったけど・・・道真さんは能天気!ワクワク、ドキドキ!とことん楽しめ!大宰府ライフ!

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道真公の太宰府左遷。 このあと残されたお話は「太宰府生活」と「怨霊伝説」しかありません。しかし…

 

「楽しさ」ゼロなんですよね。1ミリも面白い話が、ない。先行き希望ゼロの貧しい生活。そのあと「怨霊」で人が次々死ぬ、そんなお話ですから。。。このタイプのマンガでは、もうこれ以上描くの、無理・・・!

 

私は、4コマならアイディアが無限に出てくる人なのですが(画力はさておき!)、ここからは1コマも描けなくなってしまいました。 

 

10日ほど、まったく1コマも描けない日が続きます。こんなこと今までなかったのに…。困ったときは…神様マンガを描いているのだから、やっぱ、神頼み!? いよいよギブアップ寸前。第90回の「東風吹かば…」で道真公の話は強制終了…?

 

ある日、たまたま立ち寄った天満宮系の小さな神社。

 

苦し紛れに「アイディア浮かばないから助けて~!」とわけのわからんお願いをしてみました。いや、もう、ダメ元です。すると・・・


10日もうなされるほど考えて1コマも浮かばなかったアイディア。神社にお願いして2、3時間後、突然、頭の中にあふれ出すようにマンガのコマが次々と映像で流れてきます。あわてて手帳にメモメモ…夜中3時くらいまでそれが続きます。

 

大宰府と怨霊の話は、思いっきり面白く、ムチャクチャに描け。史実からそれなければ、楽しくオモシロいもの、ありえないもの、ナンデモアリ。」

 

「でも、絶対に悲しいものだけは描くな。人が殺されて死ぬ話は絶対ダメ。」

 

「事実はとっくの昔に終わったこと。悲しいものは今、何も残っていないのだから」

 


いきなりこんな思考が。(わかりやすくセリフ調で書いていますが実際は言葉ではない一瞬の感覚です。)

 

…ということで壮絶・悲惨きわまりない道真公の大宰府ライフ&怨霊伝説は、大筋の史実・伝説をほぼそのままに、「ザ・マンガ」でこのあとお送りしたいと思います。

 

お楽しみに!

 

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第91回 時平さんの改革 の巻

時平さんの改革は大成功。でもそれはもともと道真さんが考えたアイディアだったのに時平さんの手柄ってことに。道真さんだって自分ががんばったことはみんなに評価されたかった・・・!?

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道真公は自分の仕事の評価を非常に気にする人でした。これは勤め人としては当然のこと。でも、道真公は歴史上の人物でも神格化されすぎていて「他人をの目を気にせず自分の信念をつらぬく」的なキャラだと思われがちです。しかし実際は、上からの評価をわりとくよくよと?気にすることがあったようです。

 

時平の改革は大成功をおさめ、これが平安時代の全盛期につながっていきます。時平が所属した藤原北家からは、のちに平安時代最高といっていい権力者・藤原道長が登場することになります。

 

また、道真公の案で遣唐使が廃止されたことにより実質独立を果たした日本で、独自の「国風文化」が花開いていくことになります。

 

 

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第90回 東風吹かば・・・の巻

いよいよ太宰府へ出発する道真さん。家族との永遠の別れ。しかし・・・道真さんのテンションはちょっとした旅行気分?強がっているだけなのかな?f:id:amazim76445483:20210820194139j:plain

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■道真公追放は藤原時平が主犯?

 

道真公と藤原時平バチバチの険悪な仲ではなく、時平の背後に時平を操るワル~イ人たちがいた…そして、ひょっとしてひょっとしたら、時平自身も直前まで道真公追放計画を知らなかった・・・

 

そんな可能性すら想像してしまうのです。その理由として…

 

時平と道真公はふだん歌のやり取りを頻繁にしていました(今でいう文通…いや、メール・ラインのやり取りみたいなもの?)。やり取りは必ず「時平発信」で始まり道真公がそれに返答する形だったようです。これが・・・左遷の直前まで続いていたといいます。

 

道真公は右大臣を辞めたがっていました。三度も辞表を出しています。政治を引退し学者に戻りたがっていたのです。もし時平にとって道真公が排除したい存在なら辞表を受理すればいい話。しかし頑として受理しないばかりか・・・左遷命令の3週間前に、時平とニコイチで「従二位(じゅにい)」という貴族・超トップ級に昇進。時平自身が道真公に辞められると困るからではなかったでしょうか。

 

さらに時平は、道真公に文書の代作をよく依頼しています。文書の代作を依頼するということは相当信頼しているということ。…追放したいくらいの人に代作を頼むかなあ、と疑問に思うのです

 

 

■道真公の改革を継承した時平


20代そこらで道真公とコンビを組んだ時平。

 

政治の知識・経験は師匠と弟子くらいの差があったはず。時平は道真公から政治を教わったことでしょう。

 

二人はそんな関係でしたが、それでも道真公は身分をわきまえ、息子ほど年齢も知識も下である時平を「上司」として接していました。

マンガのネタバレをしてしまうと、道真公を追放したあと、時平はなんと道真公の改革案をまったくそのまんま、実行に移します。

 

藤原一族を含めた貴族たちの既得権益をぶっ壊しにかかるわけです。これには一族もビックリ仰天だったでしょう。道真公を追放したあと時平にも何か思うところがあったのでは・・・などとドラマチックなことを空想してしまいます。

 

 

■時平の黒幕の存在

 

道真公左遷の命令文を見ると、とても公文書とは思えない、主観丸出しケチョンケチョンのひどい文章です。

 

「身分が低いくせに天皇をだましてとりたてられ威張っている。まわりはみんなわかってるぞ」

 

…なんてものが公文書で・・・正気の沙汰とは思えません。

 

時平にとって道真公は長年コンビで仕事をしてきた間柄。その人柄はいやというほど知っていたはず。となると、時平がこれを指示して書かせたものとは…到底考えられないのです。

 

では誰が書かせたのか?黒幕は誰か?


これだけケチョンケチョンであるところを見ると、道真公に対して相当恨みを抱いていた人物と推測できます。


 

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第89回 時平さんと道真さん の巻(その3)

 

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太宰府へ出発する前日に道真公が時平を訪れた…これは完全にマンガのフィクションです。 

 

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第88回 時平さんと道真さん の巻(その2)

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歴史物語『大鏡(おおかがみ)』の有名なお話をマンガにしました。

 

冷酷非情のイメージが強い藤原時平にもこんなおちゃめな一面が。道真公との息の合ったコンビぶりもうかがえるエピソードですね。

 

(マンガは少しだけニュアンスを変えています。原作では、カリカリする時平を笑わせるために部下が「わざと」オナラをする設定です)。
 

 

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第87回 時平さんと道真さん の巻(その1)

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この時代には珍しい能力主義を採用した宇多天皇は、「仕事のできる」道真公と時平だけを過剰に取り立てます。このことで年輩の納言たちは大激怒、全員出仕ボイコットの騒動に!(実話)。

 

これは道真公だけではなく二人に対する嫌がらせで、時平も仕事に忙殺されました。


結局この騒動は天皇自らの説得で収まりましたが長期間、ふたりは結束して全員分の業務にあたることになりました。

 

次回のマンガでは、「極悪・冷酷非情の人」というレッテルを貼られた藤原時平の意外な一面と、ふたりの関係性が垣間見えるエピソードを描いてみたいと思います。 

 

お楽しみに~

 

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第86回 左遷はさせん! の巻

 

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道真公に左遷命令が出たときの状況は記録が残ってないのでよくわかりませんが、過去の同じパターンから、おそらく不意打ちの発表だったと想像できます。

 

実際、左遷命令のわずか3週間ほど前に、「従二位(じゅにい)」という、貴族・超トップクラスの官位に昇進・・・からの左遷。

 

えげつないことするなあ。。。

 

 

左遷の理由は次の3つでした。

 

宇多天皇をだましてうまく取り入った。

 

②身分が低いのに大臣になり権力を濫用した。

 

醍醐天皇をやめさせてその弟を擁立しようとした(=謀反)

 

①は「だました」根拠がなく、②は「身分が低い」が論外。

問題となるのは③です。

 

③はれっきとした国家犯罪。道真公は謀反を企てたのかどうか。

 

謀反計画が本当であれば、左遷どころか…牢屋に入れられるレベルの話です。


しかし、①②で印象操作としか思えない主観的な理由を入れ、

 

さらに、謀反という国家犯罪を企てた人間への処罰が「左遷」止まりという時点で・・・何をかいわんや、という感じもします。

 

左遷の理由となる謀反計画には証拠も証人もないばかりか、道真公に弁解の機会も与えませんでした。

 

そして「だまされた」当事者であるはずの宇多前天皇に対してすら、理由を聞こうと宮廷に訪れたときにも、ガッチリとガードして中に入れませんでした(本来なら真っ先に報告すべき人であるにもかかわらず、です。)

 


・・・しかし、しかしです。

 

「火のないところに煙はたたず」ともいいます。

 

もちろん大昔の話なので真実は確かめようもありませんが「謀反の計画だけはあった」とする説もあります。

 

その根拠となる唯一のものは、太宰府にいる道真公を訪れた、ある役人の調書でした。


太宰府を様子見に訪れた都の役人に対し、道真公が謀反計画の一部をゲロった、と、こういうわけです。

 

・・・ずっと無実を訴えていた道真公が、ふらっと訪れた役人に「やりました」みたいなことを急に白状するなんて、にわかに信じがたい話ですが、

 

この調書をとった役人こそが・・・道真公の怨霊伝説、そして「天神」の呼称につながっていくための重要人物になります。

 

そのへんもマンガでは…ハチャメチャに描いてみたいなあと思っています。


 

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第85回 道真公追放計画 の巻

 

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道真公の改革は成功の気配がムンムン漂っていました。

 

道真公は学者・政治家以外に、おじいちゃんの代からやっている私塾も経営していて、ここから100人をこえる卒業生が官僚として宮廷内で活躍していました。

 

道真公は宮廷内で徒党を組んだり派閥を作ったりすることは一切しなかった人なのですが、それでも道真塾の門下生が大量に官僚としているわけで、他の貴族や官僚からしてみると大きな脅威だったと想像します。

 

道真公は


「合い間に政治をやってもいいけど、せめて半分は学者やってたいな」


「でも私がやめると時平さんひとりになるからがんばる!」


…みたいな発言をしています。

 

これ、総理大臣クラスの人が


「あき時間に政治やってもいいけどホントは学者していたいよ~」


と言っているわけで、冷静に考えるとトンデモ発言です。

 

まあ、それほど道真公は政治家より学者でいることに執着していたんですね。

 

■不吉な手紙

 

バックの宇多上皇を失い丸腰になった道真公のもとに、待ってましたとばかりに一通の手紙が。

 

差出人は学者官僚の三善清行(みよしきよゆき)。

 

「特に親しくもないのにこんなこと言うのもなんですが」で始まるこの手紙の内容が…なんとも気持ち悪い。

「自分は占星術をやっている」

「それによると道真さんの運勢は超悪い」

「破滅するよ」

 

などなど・・・結局いいたいことは

 

「あなた身分が低いんだからすぐ大臣やめなさい」

 

道真公にすれば「いやいや、辞めたいけど辞めさせてもらえないだけ!」と言いたいところでしょう。


この手紙の数か月後に実質の流罪となる太宰府への左遷命令が来ます。

 


この三善氏、道真公への手紙のわずか10日後に、天皇にも書状を送っているのですが、内容はカンタンにいうと

 

占星術でみたら、今年は謀反(むほん)が起きるから、あらかじめ賊を倒しておきましょう!」

 

というもの。

 

この2つの書面の内容は「賊=道真公」を暗にほのめかしており、天皇側への事前の雰囲気づくりをしていることがわかります。

 

ううう、陰湿・・・


この手紙をいいように解釈する説もあります。

 

なんらかの事情で三善氏が道真公追放の計画を事前に知り「追放される前に辞職すれば助かるよ」と助け舟を出してくれていたのだ、とするものです。

 

しかし、右大臣たるものが一官僚のアドバイスを受けたからといって軽々と辞職願を出しても通らないことはさすがに理解していただろうし、

 

そもそも親しくもないのに左遷という機密事項をリークする危険を冒してまで道真公に助け舟を出すのはなんとも不自然です。

 

だいたい・・・10日後に送った天皇への手紙には「道真公=賊」をほのめかす言葉が。

 

道真左遷後の三善氏は、追い打ちをかけるように得意の占星術で「賊を追放したので仕切り直し」を理由に、改元(年号を変えること)まで推進しています。 

 

こっわ~。



実はこの三善清行、官僚試験を受けたときの出題&試験官だった道真公に不合格の判定をくらい、合格まで2年も足踏みしています。

 

そのほか宮廷内のトラブル(阿衡事件)の後、地方への左遷人事もくらっています(宇多天皇引退で復活します)。

 

そのほか、史実かどうかはわかりませんが、道真公が三善氏を「愚」と評したという逸話も残っていたりするほどまわりからは不仲だと考えられていたようです。

 

事実だけとってみても道真公に恨みをもっていた可能性は十分ある人物でした。

 

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北野天満宮、2つめの影の大ボス

北野天満宮には「天神地祇」のほかもう1柱、目立たないところに「大ボス」がおられます。

 

本殿へ向かう参道にある目立たない祠ですが、「さりげなくこんなところにあるけど、これってよく考えるとものすごい神様ちゃうん?!」と、ちょっとビビります。

 

御祭神が菅原道真公となっているためあくまで摂社というポジションですが、どこかほかの神社で御祭神になっていてもおかしくない、神様のランクでいうと「ボス」クラスといえそうです。

 

天満宮の影の黒幕(?)その2」が、こちら。

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火雷神」 そう、まさに「雷の神様」です。

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火雷神(いわゆる雷神)も「天神地祇」と同様に、北野天満宮が造営される前からこの地で祀られていました。

 

菅公は没後、怨霊として雷神と同一視され人々から恐れられます。そこからのちに「天神様」として昇華しますが、「天神」という名前の由来は雷神との習合によるものみたいです。


火雷神の祠の真向いに、私がペンネームをパク…いや、いただいた能福さんの祠もあります。

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